翻訳ソフトや翻訳サイトを使う際に、時おりとんでもない翻訳にぶちあたって思わず失笑してしまうことありませんか?
この本は、日本古来の昔話、「一寸法師」、「かぐや姫」、「桃太郎」を、まず自動英日翻訳で英文にし、その英文をさらに自動日英翻訳をかけることによって、変態昔話を作り出すことに成功しています。(注:変態昔話というのは、今勝手に筆者が作った表現です。メタモルフォーゼ昔話だと長いので……)
本来の昔話(日)×翻訳文(英)×変態昔話(日)が掲載され、変態昔話に即したカラフルでサイケな挿絵が添えられています。全然タッチは違うのでしょうが、私はビートルズのとんでもアニメ、Yellow Submarineを思い出しました。
変態昔話とサイケ挿絵だけでも面白いのですが、この本の真骨頂は3つの文を読み比べることにあるでしょう。
文章がどのようにねじまがったかを辿ることによってさらに楽しめる仕組みになっています。というよりそうしないとこの本の面白みの1/10も味わえません。対応部分を探し出すのに、ちょっと骨が折れますが、その甲斐はあります。
例えば、「一寸法師」というタイトルを例に取れば、
- 一寸法師
- A little, low mentor
- 少量法律助言者
という具合に変化してしまいます。まずここでいきなりニヤリです。脳内に一寸法師=少量法律助言者という回路ができてしまいました。これから子供に絵本を読み聞かせるたびに、思い出すじゃないですか!どうしてくれる。
- 「がんばってくるんだぞ」
- “It was wrapped hard.”
- 「それは一生懸命包装。」
ここの挿絵は、もちろん少量法律助言者が一生懸命包装に励んでいる絵です。
- 「痛い、痛い、これはかなわん。」
- “I am painful, I am painful, and this is a Japanese syllabary bowl.”
- 「私はつらく、私はつらく、これは日本の五十音ボールだ。」
鬼が針の刀で刺されて痛がる様。「かなわん」が「五十音ボール」など、自動翻訳の力を借りないと、おいそれと思いつくものではありません。
次は、「かぐや姫」。
- かぐや姫
- As soon as it smelled, princess
- 匂いをかがれるとすぐに、プリンセス
本のタイトルにもなっている名翻訳。かがれるやいなやお姫様になるのでしょうか?
- 困ったおじいさんはかぐや姫に言いました。
- An in trouble grandfather said to As soon as it smelled, princess.
- 流行のトラブルおじいちゃんは、それが匂いをかがれるとすぐに、プリンセスに発表しました。
とんだ迷惑おじいちゃんです。関係ないけどコンピューターおばあちゃんを思い出した!
例を挙げるときりがないのでこれくらいにしておきますが、全編この調子で進んでいく悪のりぶりです。
上に挙げた例を読んで、少しでもクスリと笑えた方は機会があれば手に取ってみてください。
匂いをかがれる かぐや姫 ~日本昔話 Remix~
原 倫太郎

マガジンハウス 2006-11-22
売り上げランキング : 31890
おすすめ平均 
梅田スカイビルへ続く道。
思わず誰かに話したくなる本
一回も笑えなかった…(ネタバレあり)


最近のコメント